
2月15日決勝の静岡記念競輪は吉田拓矢(30=茨城)の優勝で幕を閉じた。吉田が「GⅠみたいにファンの声援が多くて励みになった」と振り返ったように多くのファン(最終日7649人)で盛り上がった。
静岡競輪場は来場者数が多い競輪場の一つ。静岡県版(静岡地区の紙面=FⅡもワイド版)製作もあり、静岡は38年以上取材している。当時からファンが多いなと感じていた。川崎、花月園には及ばないが首都圏の競輪場に近い熱気(声援、ヤジ)があった。
ファンの声が競輪、そして選手を育てる。競輪の売り上げが最盛期(90~92年度の年間1兆8000億円超)の頃の開催。人気を集めた◎の選手が〝差し損じ〟となれば罵声が収まらず、次のレースの選手紹介も騒然。このケースは関係者協議の結果、本命選手は翌日以降欠場となった。川崎、花月園では普通だが静岡も〝差し損じ〟などに対する声に厳しく対応していた。
東日本地区(現在17場)で一番新しい競輪場の静岡は74年9月に初のオールスターを開催。そして94年3月のダービー開催は約430億円(記録)を売り上げた。この数字は当時の熱気を物語る。
静岡記念は優勝した吉田をはじめ「声援が励みになった」とレース後に振り返る選手が多かった。もちろん25年MVPの郡司浩平、地元エースの深谷知広も声援に対する感謝を言葉にして、内容ある走りで応えた。
そして渡辺雅也(25=静岡、写真)も地元記念を盛り上げた。父・晴智(52)は08年の静岡ダービー覇者。昨年の記念は親子参戦で晴智が二次予選、雅也が準決勝まで進出して注目を集めた。今大会は雅也が静岡記念初の決勝進出を決めて、勝ち上がりの動きから決勝は人気にもなった。
ちなみに晴智の静岡ダービーは山崎芳仁(46=福島)目標での優勝だった。渡辺雅も親子タイトルが期待される楽しみな一人だ。
◇中林 陵治(なかばやし・りょうじ)熊本県八代市出身の63歳。慶大卒。87年5月の花月園新人リーグ(59期生)で競輪記者デビュー以来、現場取材一筋38年。静岡競輪の取材は多く、静岡駅近辺の飲食店も通い慣れている。


